■ギブソンJ45

ネック折れのJ45です。他店(有名店)で補強を入れて修理してありましたが、数年使用して後、倒した際にまた折れてしまったそうです。ロッドカバーを外したら真っ二つになりましたが、断面を見ると前回折れた場所とは層が違うみたいです。金太郎あめ状態ですがよくあることなのです。これはギブソンアングルネックの木取りのためなのです。何度も折れるのは残念ですが前の修理がダメだったわけでは無いと思います。とてもきれいな修理です。

先ずは接着。かみ合わせについて特に書く気はありませんが、合わせないと接着不可能ですよね。綺麗に治ったということは当たり前にやることやっているわけです。

2度目なので補強を変えます。以前の補強跡が見えますが隙間なく綺麗に接着できています。

高価なホンマホ木端を隙間の無いように接着します。

今回はお金をかけたくないということで、塗装面はシーラーまでにしてあります。当店としては見た目がわからないぐらいまで直したいのですが、しょうがありません。弾く分には十分な修理になっています。
ネック折れの補強の仕方ですが、正解はありません。色々なやり方がありますが、費用のバランスを考慮して決めます。「こういうやり方が絶対だ、この店はやり方が悪い」という考えを持つ方もおられますが、修理の世界に絶対はありません。プロは費用対効果のバランスでやっています。どんな方法でもやることはできます、修理代も青天井ならば。