■マーチンD-28
70年代のD-28です。貫録たっぷりですが弦高は4mmを超えていて、ネック中央付近の順ぞりは0.8mm位でしょうか、とても弾きにくい状態です。SQロッドなのでロッド調整はできません。
リフレットでネックを矯正していきます。もちろん隙間の無いように。何度も抜いたり打ったりと大変な作業です。
何とか逆ぞりの状態に持ってきました。弦を張って真っ直ぐになるようにしなければなりません。もちろん、何度も試し弦を張って確認しています。
次はネックを外します。マーチンは綺麗に取れます。
これが大事、研ぎですね。
削る分を罫書いて、その線に沿って慎重に削っていきます。何度もフィッティングします。
差し込み角の変更に伴い指板後部に正確に造作した黒檀の薄板を噛ませます。薄板は真黒黒檀、D28は少し薄色の黒檀で若干軟いです。D35は真黒で堅いです。SQロッド調整にこの差は重要です。
ネック接着です。
隙間なく綺麗に接着できています。角度もバッチリ。
不要な指板材から2mmφの埋め木を切り出して、リセット用穴を埋め、溝を切りなおします。
残りのフレットを打ち込み、タッチアップして終了です。サドル高も十分、超弾き易いです。費用も高いですが本来の姿に生まれ変わります。